ウインカーを出すのは、他の車・バイクや歩行者に、自車の行動を予告して知らせることですが、これも疎かにするドライバーは、名古屋に一定数います。
おそらく、こういうドライバーは常にウインカーを出さないわけではなく、他の運転操作(急な車線変更等)をする際に、ウインカーを出していられない、面倒だ、などという感じなのかなあ、と思います。
ウインカーを出さないドライバーは、名古屋に限らず、地方で比較的見られます。大都市のような交通量の多さではない分、ウインカーを出さなくてもトラブルが生じる可能性が少ないせいなのかも知れませんが、やはりこれも危険に繋がる行為です。
1. 車線変更時にウインカーを出さない。
一番多いのは、ウインカーを出さずに車線変更するパターンです。
中でも多いのは、駐車車両が多い左車線をスピードを上げて走行している車が、駐車車両を避けるために右車線に出てくる場合です。名古屋走りの典型とも言えるでしょう。
左の車線から右の車線に少しでもはみ出すなら、本来はウインカーを出すべきです。右車線の車ははみ出してくる車を避ける行動が必要だからです。しかし、このパターンでウインカーを出さない車は多いです。
何となくですが、こういう場合にウインカーを出す必要はない、という勝手な解釈がまかり通っている気もしなくはありません。
また、名古屋での運転に慣れている人は、左車線からのこういう挙動の車があることを予測して運転しているため、ウインカーなしで右車線にはみ出したり、車線変更してきたりする車に対して、大きな違和感を感じていない節もあります。
左からはみ出す車の方も、上手にタイミングを見てはみ出してくるならまだしも、右車線の後続車に対する意識が希薄なドライバーも少なくないように思います。この辺は、名古屋運転者同士の暗黙の了解、もたれ合い、なのかも知れません。
しかし、他地域から来たドライバーからすると、このような行為に腹を立ててしまう場面は往々にしてあります。
他の車線変更時にも比較的ウインカーの点滅をさぼるドライバーは多いです。
十分な車間がある場合は問題ないと感じるドライバーも少なくなさそうですが、たとえば、二輪車のすり抜けと重複すると、重大事故につながる可能性もあります。
2. 左折・右折時にウインカーを出さない。
これは比較的地方(田舎)でよく見られる運転です。歩行者も他の車も多くない場所での運転に慣れているとそうなるのでしょうか。私は交通量の多い場所で運転に慣れたので、人っ子一人いない場所でもウインカーを出します。
名古屋にもこういう運転をする人はいますが、そう多いわけではありません。また、このような運転は故意によるものではなく、うっかり出し忘れたというパターンの方が多いのだろうと思います。十分に減速している際ならまだしも、速い流れの中でこういうミスが起こると危険なのですが…。
3. ウインカーを出さない「名古屋走り」への防衛運転
(1) 余裕のある予測をする
ウインカーを出さずに車線変更してくる行為は、その車自体が事故をしなくても、後続の車の事故を誘発することもある危険な行為です。
後続の車に大きな非がなくても、原因を作った車が直接事故をしなければさっさと走り去ってしまいます。
例えば、ウインカーなしに急に車線変更してきた車を避けるために、自車が車線変更しようとして後続の車とぶつかることもあり得ます。腹立たしいことですが、その場合、自車の過失が問われます。
こういったことを避けるためには、周囲の車が「車線変更してくるのではないか」と常に予測しておくことが大切です。慣れてくると、多くの場合、車の挙動で車線変更する「気配」はわかります。車線変更したい側に少しずつ寄ってくる、あるいは、前の車との車間が非常に狭い等、その車の「意思」を推測することができるようになります。要は慣れと言ったことろでしょうか。本当に名古屋で運転していると、自然にこういうことを予測するようになります。
さて、こういう場合、車線変更させないように車間を詰める人もいますが、それは止めた方が賢明です。車間を詰める過程で相手の車のサイドミラーの死角に入ってしまい気づかれないことがあるからです。
車線変更しそうな車がいる場合は、おとなしく車線変更させてやることが安全だと思います。
尚、左車線を速いスピードで走る車は、必ず右車線にはみ出してくる、と思っておくことが賢明です。
(2) 車間を十分に空ける
車線変更時も、右左折時も、ウインカーを出さない車に影響されず安全に運転するための最大のコツは、車間距離を十分に取るということです。
特に、右折レーンのない交差点で右折する車がウインカーを出さなかったり、ウインカーを曲がる直前にしか出さないような場合は危険です。
車間距離を十分に取っていれば、追突することもありませんし、左車線に逃げるタイミングを容易に見つけられ、右折車の後ろで詰まってしまうこともなくなります。
安全運転の基本ですが、車間距離というのは非常に重要です。
「車間距離を空けすぎると、次々にわりこまれてしまうからイヤ」という人もいるでしょうが、普通の流れに乗っていれば、多少の割り込みはあっても極端なことにはなりません。何よりも事故に巻き込まれないことが肝心ですので、車間距離は十分に取るようにしましょう。